新型コロナウイルスの感染が収束に向かってきたことで海外への留学も本格的に再開しつつあります。韓国留学を目の前に控えている方や、留学を検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、留学準備中の方におすすめしたい韓国語勉強法についてご紹介します。韓国留学を検討中、または留学直前の方はぜひ一読ください。
韓国留学の前に勉強しておいた方がいい理由とは?
「どうせ留学に行くなら現地で勉強する方が効率がよい」
こう考える方も多いのではないでしょうか。しかし、実はその考えは正しくありません。
留学に行く前だからこそ、語学の勉強が必要になります。
留学前の語学勉強が大切な理由を以下の通り3つご紹介します。
無駄な時間と費用を抑えられる
例えばあなたが留学中に語学の勉強を始めたとします。
せっかく現地にいるのに、現地の方との会話はままならず、語学堂で授業と試験を受けるだけの日々の繰り返しです。韓国語が聞こえる環境であり、日本にいるよりもはるかに韓国語を使える機会が多いのにも関わらず、その機会を充分に活用できていないと感じることになるでしょう。
言語の学習は「インプット(覚える)」と「アウトプット(覚えた内容を実際に使う)」が重要です。留学中はできるだけアウトプットに時間を多く使えるよう出発前にできるだけ多くのインプットをしておきましょう。
留学前にある程度の語学力があれば、語学堂の過程をスキップして中級・上級からスタートすることも可能です。もちろん、その分の語学堂費用を抑えることができます。
現地での時間を有効的に過ごすためにも、留学費用を抑えるためにも、留学前の語学学習は必要だといえるでしょう。
慣れない土地での暮らしに対応できる
海外での生活は、想像以上に言語の壁によるストレスを感じ、疲弊します。
銀行口座の開設、外国人登録証の発行、保険の加入等、生活に必要なあらゆる手続きをする際に、コミュニケーションが取れなければ、不備が発生したり、トラブルに巻き込まれる可能性があります。韓国のシステムや制度に慣れていなくてもある程度の対応ができるよう、留学初期から語学力を身に着けておくことが必要です。
語学堂での授業についていける
語学堂の授業はもちろん全て韓国語で行われるため、予習・復習が欠かせません。しかし、毎時間のように課題が課せられると予習復習が追いつかず、試験に落ちてしまい、また最初から同じ内容の授業を受けざるを得ない方もいます。
語学堂の授業過程を予定通り修了するためにも、留学前の語学勉強が大切です。
韓国留学の前にしておいた方がいい勉強とは?
留学の目的や目標は様々ですが、これだけ押さえておけば留学生活が楽になる韓国語学習のポイントをご紹介します。
ハングルの理解
まずは韓国で使用される文字、ハングルの理解です。
「韓国語」は文字、文法、発音など言語そのものを指し、「ハングル」は韓国語の文字のことをいいます。1446年に李氏朝鮮第4代国王の世宗大王が、一般庶民も理解できるように漢字よりシンプルな「ハングル(한글)」を公布しました。
ハングルは、母音21個と子音19個から以下のパターンで文字が構成されます。
- 「子音+母音」
- 「子音+母音+子音(パッチム)」
- 「子音+母音+子音+子音(パッチム)」
日本語の「あかさたなはまやらわ」にあたる「가 나 다 라 마 바 사 아 자 차 카 타 파 하(カナダラマバサ アヂャチャカタパハ)」は、辞書やテキストで単語の索引が簡単になるので覚えておきましょう。
ハングルを表す時にネイティブがよく使う「子音の読み方」も留学前に復習しておきましょう。聞き取れなかった単語や、ハングル表記が分からない単語があれば、その場で「子音の読み方」を使って聞いてみましょう。
ハングル(文字)で単語を覚えることで、発音の仕方や違いが分かり、綺麗な発音ができるようになります。
子音 | 読み方 | 子音 | 読み方 | 子音 | 読み方 | 子音 | 読み方 | 子音 | 読み方 |
ㄱ | 기역 | ㅁ | 미음 | ㅈ | 지읒 | ㅍ | 피읖 | ㅃ | 쌍비읍 |
ㄴ | 니은 | ㅂ | 비읍 | ㅊ | 치읓 | ㅎ | 히읗 | ㅆ | 쌍시옷 |
ㄷ | 디귿 | ㅅ | 시옷 | ㅋ | 키읔 | ㄲ | 쌍기역 | ㅉ | 쌍지읒 |
ㄹ | 리을 | ㅇ | 이응 | ㅌ | 티읕 | ㄸ | 쌍디귿 |
発音の理解
日本人が韓国語を学ぶ際の大きな壁が「パッチム」です。
パッチムとは、子音+母音の下に付く子音のことを意味しています。子音19個のうち、16個がパッチムになりますが、その中でもパッチムの発音は7種類に分けることができます。
ㄴ | /n/ |
ㅇ | /ng/ |
ㅁ | /m/ |
ㅂ/ㅍ | /p/ |
ㄷ/ㅌ/ㅅ/ㅆ/ㅈ/ㅊ/ㅎ | /t/ |
ㄱ/ㅋ/ㄲ | /k/ |
ㄹ | /l/ |
発音の区別が難しい「ン(ㄴ・ㅇ・ㅁ)」を例に、パッチムの違いを練習してみましょう。
「天王寺(てん・のうじ)・天満(てん・ま)・天下茶屋(てん・がちゃや)」
まずは、この三つの単語をそれぞれ「ん」まで発音したら、舌をストップさせてみてください。
「てん・のうじ」の「ん」は、次に「の(nの音)」がくるので「ㄴ」に近い発音です。
「てん・ま」の「ん」は、次に「ま(mの音)」がくるので「ㅁ」に近い発音です。
「てん・がちゃや」の「ん」は、次に「が(gの音)」がくるので「ㅇ」に近い発音です。
「선생님(先生)」を発音する際にそれぞれの「ン」で発音し、違いを感じてみましょう。
パッチムを練習する時は、発音の違いを頭で理解し、実際に自分の口でおおげさに、ゆっくり丁寧に発音することを心がけることが大切です。
そしてもうひとつ、パッチムがある単語の「発音変化」に注意です。発音変化のルールは7つあります。
①有声音化:濁る発音
②連音化:前後の言葉の音をつなげて発音
③舌側音化:パッチムとその次の子音がㄹ ㄴのとき、ㄴがㄹになる変化
④ㅎの激音化・弱化・脱落:特定の組み合わせによって起きるㅎの発音変化
⑤濃音化:濁らない詰まった発音
⑥口蓋音化:パッチムㄷ ㅌ+이、パッチムㄷ ㅌ⇒ㅈ ㅊに変わる発音変化
⑦鼻音化:パッチムと子音の組み合わせによって、ㄴ ㅁ ㅇの音に変化
ルールを覚えやすくするためにも、それぞれのルールに当てはまる単語を一単語ずつ覚えておくことをおすすめします。
数字の理解
「数字」は日常生活で欠かせないのでしっかり覚えましょう。特に韓国では年齢を聞かれる場面が多いので、自分の生年月日や年歳を言う練習をしておくとよいです。
韓国では年齢を答える際に「1999年生まれ」なら「99年生」のように、下2桁で「〇〇年生」と表現することもあります。日本と韓国では最近まで歳の数え方が違っていたので「〇歳」と答えるよりも分かりやすいです。
また数字と一緒に「単位」も覚えておきましょう。
以下に単位の一例をご紹介します。
・瓶などの本数:병(ビョン)
・紙などの枚数:장(ジャン)
・車などの台数:대(デ)
日常生活で頻出するあいさつや質問の理解
留学生活で起こりそうな日常のシチュエーションを想定し、韓国語でスムーズに対応できる練習をしましょう。前もってよく使うフレーズを勉強していると、全部聞き取れなくても何を言っているのかについてある程度予測がつきます。
買い物やバス・タクシーの乗り降り、学校・病院などの「場所」と、お客さんや生徒、教授や運転手など「立場」を設定し、単語や語彙の理解を深めましょう。
どんな風に勉強すればいい?
韓国語学習に有効な勉強方法をご紹介します。
留学前の韓国語学習は、実際のシチュエーションを想定して、ネイティブスピードに慣れる練習が大切です。基礎的な韓国語学習の過程を終えた方は、様々な媒体を活用して活きた韓国語を習得していきましょう。
以下におすすめの勉強法を紹介していきます。
YouTubeを見る
無料で多様なコンテンツが視聴できるYouTubeは、学習材料が豊富です。
特に留学前の方におすすめするコンテンツは、日常生活の「あるある」をモチーフにした動画です。韓国人視聴者用に制作された動画のため、ネイティブスピードで韓国語が聞ける、韓国語字幕がついている、シチュエーション別で勉強ができるという長所があります。
韓国ドラマを見る
恋愛ドラマ、刑事ドラマ、時代劇・・・いまや韓国ドラマは韓国語学習者以外にも人気で、あらゆるストリーミングサービスで配信されています。
韓国ドラマは、視聴の仕方によって韓国語力をぐっと伸ばしてくれます。
初級者:韓国語音声をよく聞いて「音」で韓国語を覚える
テキストで学んだ単語やフレーズが、実際のスピードではどんな風に聞こえるのか発音に注意しながら見てみましょう。
中級者:韓国語音声と日本語字幕の違いを感じる
日本語字幕は、画面が切り替わるまでの短時間で、なるべく作品の意図を崩さないように意訳されています。韓国語音声と日本語字幕の違いを見つけて、翻訳の面白さを感じてみましょう。
上級者:字幕なしでそのまま楽しむ
日本語字幕なしで、原作のセリフに集中し、韓国語ならではの言い回しやギャグをマスターしましょう。ストーリーを楽しみながら韓国語も勉強できるおすすめの方法です。
バラエティー番組を見る
最近は、子供教育や恋愛リアリティ、アイドル出演等、韓国バラエティー番組も人気が上がっています。バラエティー番組では、テロップで使用される“擬音語”や”擬態語”に着目しながら視聴しましょう。
動詞や形容詞と一緒に使えば、韓国語で表現できる範囲が広がります。
TOPIKを受験する
TOPIK(韓国語能力試験)は留学前と留学後の韓国語能力を測るために最適な手段ですので、留学前に受験しておくことをおすすめします。
また留学期間の奨学金や優遇対応等の条件が「TOPIK4級以上」とされることが多いため、TOPIKⅡ(4〜6級)取得を目標に韓国語学習を進めるといいかもしれません。また韓国の語学堂で出される課題内容は、TOPIKに沿った内容が多いので、TOPIKの学習がそのまま語学堂の予習に繋がります。
韓国語レッスンに通う
留学先で怖気づくことなく、韓国語で会話ができるように練習をしましょう。言語は座学だけでは身に付きません。スピーキングやリスニング力を鍛える会話の実践練習の場が必要です。
アーキ・ヴォイスの韓国語オンラインレッスンは、スピーキング・リスニング力を強化する場としておすすめです。
アーキ・ヴォイスでは、いつでも、どこでもネット環境さえあれば受講できる、グループレッスンとマンツーマンレッスンを準備しています。受講方法や授業内容が気になる方のために、無料の体験レッスンもあります。
その他にも韓国語能力試験(TOPIK)対策レッスンや、上級者向けの韓国語通訳者養成講座も開講しております。詳細についてはこちらをご覧ください。
【まとめ】韓国留学前の勉強は必須!留学後に後悔しないようにしっかりと準備しよう
後悔のない留学生活を送るために、留学前に韓国語の勉強に取り組みましょう。事前に語学力があれば、留学生活に早く適応することができ、言語学習以外のことに挑戦できます。
一生に幾度とない貴重な留学生活を有意義に過ごすため、早い段階で韓国語学習を始めましょう。
アーキ・ヴォイスでは初級〜上級まで、自分のレベルに合った韓国語レッスンを受講できます。アーキ・ヴォイスのオンラインレッスンで、留学生活に役立つ言語知識・会話力を伸ばしませんか。気になる方は詳細をこちらからご覧ください。